ストーリー・オブ・マイ・ライフを観たら旅に出たくなった【ネタバレを含みます】
ストーリー・オブ・マイ・ライフ
和題「若草物語」
言わずと知れた名作文学ですね
今日見てきました
幼少のクリスマスの思い出
我が家はとっても貧乏で子沢山で、誕生日プレゼントとかクリスマスプレゼントとか進学祝いとか卒業祝いとか、そういうのをまったく出来ない家庭だった
わたしは12月生まれだったので「誕生日プレゼントね」と言われながら塾の冬期講習代払ってもらってたな……と思い出した
人生で1回も新しい制服着たことないし、高校の通学カバンは1年生のときからめっちゃ汚かったです
そんな我が家なんですが、あれはいつだったか、クリスマスプレゼントがあった年のこと
兄にはハリーポッターの当時の最新刊(賢者の石か秘密の部屋だったか…どっちか…)、妹ズは多分絵本とかアニメ映画のノベライズみたいな、そういう本が贈られ、私に贈られたのが若草物語だった
ハードカバーで字が大きくて漢字にはルビがふってあるわかりやすい児童書
一応サンタさんからというていで枕元に置かれていたけど、今思うと完全にうちの母のセンスだなとわかる
当時の私は小学校の図書室の本を全部読み尽くそうかという勢いで図書室に日参していたので、若草物語も一瞬で読み終えたはず
その時我が家も4人きょうだいで(のちに弟が産まれて5人きょうだいになりました)自分と重ねて読んだり読まなかったりしたと思う
17,8年くらい前の話なんで全然覚えてないけど、ませたガキだったので「親がきょうだいと仲良くしろって思ってんのかな」とか勘ぐったと思います
何しろ人生で初めてサンタが来たのでとっくに信じる心は失っていたね、仕方ないね
20代半ばの今日
若草物語は4人姉妹、メグ、ジョー、ベス、エイミーのお話なんだけど、今日映画を見て思ったのはこの仲良しだけど性格がばらばらの姉妹たちは女性の内包している人格の部分部分をとてもよく表している
長女メグは父が出征しているなか、母親を支えて時には母親のように妹たちに振舞ったりする
映画の冒頭では本当は夫のコートを買いに行ったはずがご近所さんに出くわして思わず自分のドレスの生地を買ってしまい、それを泣きながら「哀れに思われたくなかった」と夫に謝るシーン
見栄というには少し足りない「哀れに思われたくない」という感情、20余年生きているので本当によくわかる、辛い、わかりすぎて辛い
高校の入学式から卒業式まで着た制服のブレザーずっとブカブカのままだったのを思い出した
卒業式の日に、同級生の女の子に制服欲しいんだけどってお願いした。私より背の高い妹が同じ高校に入ることになったけどわたしの制服が合わなかったから
恥ずかしかったけど、恥ずかしがったら哀れに思われるだろうなってわかってたから何でもないように、でもちゃんと貰えるようにお願いした
次女、ジョーは竹を割ったような性格って多分原作にも書いてた気がする、違うかな
いずれは作家になるのが夢、映画では家族の生計のためにニューヨークで住み込みの家庭教師をしながら執筆をする、すごいアグレッシブ、わたしも見習いたいけど真似はできない
激情型というか、カッとなったり思いつきをすぐ行動にうつしてちょっと失敗もする不器用な人なんだけど家族のことを本当に大事にしてる、そういう所も不器用、かわいい
家族にお金が必要になったとき、自分の髪を売る場面が原作にもあったけど、本当にかっこいいなと思ったの覚えてる
野心家で、当時の「女の幸せは結婚にある」的な価値観が大嫌い
自由な中年女になりたい次女
あ〜わかる好き、かわいい、共感
三女ベス、音楽が好きで体が弱い
自分の体調が悪くなってるのを理解していて「もう覚悟は出来てるの」とか言う、泣くからやめて欲しい
メンタルヘルスをやられて7ヶ月が経ったわたしですが、奨学金を返済しきるだけの貯金が出来たら死のうと思ってた時期が長くあった
でも昨年働き盛りの従兄が亡くなってみんなの悲しみをそばで感じて、今は死ねないと貯金しながら時期を待ってた
自死の葬儀を親にあげさせるのは申し訳ないから無縁仏になれるようにしたいなとか行方不明になるにはどうしたらいいかとか、そんなことばっかり考えてた7ヶ月間
子どもが先に死んだら親はこうも悲しむんだとか自分がリアルに想像し続けていることだからかすごく胸にきてしまった
いやー辛いですね。親きょうだいのことを考えたら死ねないのにこんなにも生きていたくないとは
四女エイミー、やっぱ末っ子ってこうなのかな!強かだけど上手くやるよな!でも姉たちのこと本当に好きなんだろうな!わかる!わかるよ!って思いながら見てた
でも彼女なりの葛藤もあり、挫折もあり、強かに生きていくことと自分の本当の気持ちと戦わせたり、姉へのコンプレックスもあり、ある意味1番人間らしい人間
結婚が女の幸せなのか
ジョーが出版社に自分の小説を持ち込みした時、編集長に「女が主人公のとき、最後は結婚するか死ぬかにしてくれ」って言われるの
ジョーは結婚なんかしたくない主義だから最初ははァ?ってなるんだけど、最終的には結婚しました(壮大なネタバレ)
わたしも女なので、それもまぁまぁいい感じに20代も半ばの女なので、周りはバタバタ結婚したり婚約したり結婚したいと思う相手を見つけていたり相手がいなくてそれなりに焦ったりしている
まだ7ヶ月で何を諦めてるのか怒られそうだけど、わたしはこの鬱という病気とは一生のお付き合いだと思ってるのでもう結婚する気は無い
子どもは本当に好きなので産めないのはとても残念、1人で産めるなら産みたい
親の言うように仕事辞めて実家に帰って見合いをしてもいいけど、世界のどこに精神病の女と見合いして結婚してもいいという男がいるのか私が知りたい
太い実家とかあれば別ですけどウルトラ貧乏ぞ?家族7人で社宅住まいの過去ぞ?
特別顔面が良いわけでもなく、薬と体調の変化で体重の増減激しく、料理も下手になったし家事が得意な訳でもないし、今の仕事辞めたらもう今後仕事見つかるかも分からない
結婚は無理だろうなーと鼻くそほじって生きてる、そもそも明日以降のこと考えたくないのに将来を考えられる相手とか(笑)ごめんやけど(笑)むり(笑)
わたしが小説のヒロインだったらあとは死ぬしかない、自由な中年女は主人公にはなれない
鑑賞後
めっちゃ泣いた、化粧はぐずぐずに崩れてハンカチめっちゃ重くなった
帰りの電車で、自分の人生とか結婚とか仕事とか親とか兄弟とかいろいろ考えてたけど収集が付かなくなった
思考放棄、半年くらい原付かなんかで日本一周の旅に出たくなりました
ところで頭痛が痛くて頭痛薬を飲んだら一応治ったんですけど、飲み合わせが怖いので睡眠薬が飲めなくて今日眠れないフラグたってて困ってます。ウケる。
わたしもむかーーしむかし、若草物語をプレゼントされたくらいの時分はジョーみたいな物書きになりたかった。本が好きだったから
でもこの記事を読めばわかりますね?わたしには無理です